「記事を書いても上がらない」「上位に来てもCVに結びつかない」――その原因の9割は“キーワード選定”にあります。本ガイドは、2つの実務系記事のエッセンスを統合し、初心者でも今日から実行できる手順に落とし込んだ“現場仕様”のまとめです。選定→制作→検証のPDCAまで、ひと続きで解説します。
SEOキーワード＝ユーザーが検索欄に打ち込む語句。上位表示に必要なのは「検索意図に合うコンテンツ」を用意すること。そのためにまず“正しいキーワードを選ぶ”作業が最重要です。
選定を誤ると、流入が少ない／CVに遠い／競合が強すぎる――といったズレが起こり、努力が空回りします。
- 上位化の近道：ロングテールやCVに近い語から攻略
- ビジネス貢献：見込み客の言葉を選ぶ
- サイト全体の強化：トピッククラスターで“面”を作る
まずはビジネスと直結する大枠の語を1つ。“ニッチすぎず汎用すぎない”中庸が基本。BtoBなら「MAツール」「SFA導入」など、BtoCなら「コーヒー豆」「引越し見積もり」など。
サジェスト／再検索語／関連キーワード／共起語を一気に収集。
自社の営業・CS・SNS・Q&Aサイトから“生の悩み言語”も拾い、スプレッドシートに集約します。
「とは/基礎」「やり方/手順」「比較/おすすめ」「費用」「事例」「トラブルシュート」など意図別に束ね、1記事=1意図の原則でカバー範囲を設計します。
原則は「CVに近いロングテール」から。たとえば「SEO」より「SEO キーワード 選び方 シート」。検索母数が小さくてもCVRが高いものを先に取りに行き、実績で“ドメイン体力”を作ります。
上位10件の意図・構成・一次情報の有無・E-E-A-T（経験/専門性/権威性/信頼性）を棚卸し。
“競合＋αの一次情報”（実測データ/事例/比較表/失敗談/社内ノウハウ）を差別化コアに据えます。
各クラスターで「ピラー（包括記事）」→「サテライト（詳細記事）」の順に実装。内部リンクで往来を設計し、2〜4週間ごとに公開→翌月サチコで検証→必要なら即リライトの短サイクルで回します。
- 目的：集客（認知）か、CV（問い合わせ/購入）か
- 3C：Company/Competitor/Customerで強み・機会・顧客課題を言語化
- 方針：ビッグ/ミドル/ロングの配分比、ターゲットの認知段階（Do/Know/Buy/Go）
- 検索クエリ：実際に検索された語。サチコで把握
- 関連/サジェスト：Googleが提案する“よく一緒に探される語”
- 共起語（LSI）：そのテーマで“自然に頻出”する語。網羅性と意図一致の指標
- クエリ分類：Know/Do/Go/Buy。記事の目的と整合を取る
- Google サーチコンソール：既存ページの検索クエリ/CTR/掲載順位の把握
- キーワードプランナー：関連語の発見と概算ボリューム
- ラッコキーワード：サジェスト/共起語の一括取得
- Ubersuggest等：競合の獲得キーワードと難易度の目安
- Googleトレンド：季節性/上昇傾向の確認
- 1記事に複数意図を詰め込む：意図が散って順位が下落しがち
- カニバリ：同一/近似語で複数記事→評価分散。管理表で一元管理
- “業界語”の押し付け：ユーザーが使う言葉に寄せる（例：気泡緩衝材→プチプチ）
- 検索ボリューム主義：母数より“CV距離”。小さく深い悩みを優先
- YMYL領域の無理攻め：権威/監修/E-E-A-Tを満たせないならテーマを調整
- タイトル（H1）：対策語を自然に含める（先頭寄せがベター）
- メタディスクリプション：対策語＋ベネフィット＋CTAニュアンス
- 見出し（H2/H3）：主要小見出しの一部に含め、意図を明示
- 本文：不自然な多用はNG。共起語で網羅性を担保
- 内部リンク：ピラー⇄サテライトで意図別に繋ぐ（アンカーは自然言語）
①構成テンプレ（例：『SEOキーワード 選び方』）
H1：SEOキーワード選定のやり方【テンプレ＆例付き】
導入：悩みの代弁＋本記事のゴール/対象読者/前提
H2：結論（6STEPの要約）
H2：STEP1〜6（各H3でタスク/手順/判断基準/NG例/チェックリスト）
H2：ツールの使い分け（導線・初期設定・注意点）
H2：よくある失敗（カニバリ/意図ズレ/ボリューム主義）
H2：実例（自社または匿名データで改善前後の比較）
H2：まとめ（次のアクション3つ）
②公開後のKPIとチェック周期
・公開7日：インデックス/初期表示回数（サチコ）
・公開30日：平均掲載順位/CTR/主要クエリの出現（サチコ）
・公開60〜90日：セッション/CV/内部リンク経由の回遊（GA/サチコ）
③リライト判断（どれか1つ該当で着手）
・掲載順位8〜20位で停滞（見出し差分/一次情報追加）
・CTRが類似順位の中央値−20%（タイトル/ディスクリプション刷新）
・出現クエリと本文意図がズレ（構成再編、意図合わせ）
■BtoB（SaaS/ツール系）
軸：「MAツール」→クラスター（比較/費用/導入手順/事例/社内稟議）
ロングテール例：「MAツール 稟議 ひな形」「MAツール 比較 中堅」
一次情報：社内の導入フロー、実際の稟議テンプレ、ログ分析グラフ
■BtoC（コーヒー豆EC）
軸：「コーヒー豆」→クラスター（保存/挽き方/産地/おすすめ/ギフト）
ロングテール例：「コーヒー豆 保存 冷凍 期間」「ゲイシャ コーヒー 特徴」
一次情報：自社焙煎記録、温度帯ごとの香味データ、失敗しやすい保存NG
- 英小文字・ハイフン区切り・3〜5語
- 記事テーマと一致（意図が伝わる語順）
- シリーズ整合（/seo/keyword/ のように体系化）
推奨スラッグ候補：seo-keyword-selection / seo-keyword-research-steps / seo-keyword-strategy
- 主キーワードがH1/タイトル/URLに自然に含まれている
- H2/H3で意図が明確。1記事=1意図を守れている
- 共起語が本文に自然に登場し、網羅性がある
- 一次情報（図表/事例/独自データ）が含まれる
- 内部リンク（前後工程/関連トピック）を設置
- メタディスクリプションにベネフィットを明記
- 同一/近似語の記事が別に存在しない（カニバリ確認）
- Day1：軸語を決め、ラッコ/プランナー/サチコで関連語一括収集
- Day2：クエリ意図でグルーピング→ロングテール優先で選定
- Day3：競合10本を分解→一次情報の差別化仮説を定義
- Day4：構成テンプレに沿って骨子→執筆→内部リンク設計
- Day30：サチコで意図ズレ/CTRを診断→軽リライト
- Day60〜90：順位・CV・回遊で効果判定→クラスター拡張
“選び方”を整えれば、ライティングや内部施策の効果が一気に乗ります。まずはCVに近いロングテールから。小さな勝ちを積み上げ、クラスターで“面の強さ”を作っていきましょう。
